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「はぁ……」
僕は言われるがままに部室に入り、ガラクタをどかしていく。
ガラクタの中には残り物の木材や布、汚れたぬいぐるみや古びた本まで、本当に多種多様だった。
「ふぃー。助かったよ、ありがとう」
ガラクタの山から姿を表した少女。
肩につくかつかない程度のショートカットにくりっとした大きな瞳。
身長は百五十センチ程だろうか、僕より頭一つくらい小さかったが胸のネクタイが緑色なことから、二年生──つまり先輩であると分かる。
「にゃわ!」
「おうっ!?」
先輩は奇怪な声で叫ぶと、すぐさま僕がどけたガラクタを漁り始めた。
「おおう! なんてこった!」
掴み上げたのは汚れた熊のぬいぐるみ。
どけた時に刺さったのか、頭にはボールペンがぐさりと刺さり、なんともグロテスクなことになっていた。
「ごめんよ~」
優しく、まるで生きた物を扱うように、先輩は優しくボールペンを引き抜く。
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