ちょっとした出来事

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空気が悪い 非常に気持ち悪い 肺に入ってくる空気を身体の天辺から爪先…全体が拒否する 「ニールがこの町に居る事自体が間違いなんだよ!!」 先程蹴られた腹部の痛みが私の意識を上へと向けた カインの埋め込まれた武器がリークして(リークを利用する事をリークすると表現する)そのカインの持つ属性が発現したようだ 火か… 「それ火じゃん!!しかもかなり効率の良いカインだなぁーボゥボゥ燃えてらぁ…死ぬんじゃね?」 傍観していた1人が口を挟む 止めてくれるのだろうか 「死んだらいいじゃん。どうせ誰も気にも留めないし罪にもならないって!!」 酷い話だ 「まぁそうだけどなー。じゃ好きにやっちゃぇよ。」 まぁ期待はしてなかったけどさ 「…ゲホッ…痛い…ゴホッ…」 口に溜まった血を大地に落とす 火を特に怖いとは思わないのは私の感覚が歪んだからか 空気が悪くなるからカインの乱用はやめて欲しい どっちにしろこの帽子と眼帯だけ盗られなかったら痛みに耐えてやり過ごせばいいやと思うのだが火を使われては燃えてしまう それは困る 「殺されちゃう訳にはいかないんだよ。」 私には会わねばならぬ人が居る その人に会うまでは 「…止まれ…」 カインが火を吹くのを辞めた 止めたのではない 辞めた それに気付かず降り下ろされる武器を目に写す 「駄目だよ…」 空振った腕が前を通る その手に武器は無い 武器が武器である事を辞めて無くなった
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