花びらの記憶

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人には流動性知能と結晶性知能がある。 『流動性知能』とは 新しい環境に適応するための能力で、多くは年齢を重ねるごとに失われてゆく。 たいして 『結晶性知能』とは 経験によって磨かれる能力で、過去の学習や記憶は脳や身体に宿り、いくら年齢を重ねても衰えにくい。 それはもしやして 生涯で一番美しい記憶を 老いて肉体が朽ちる瞬間までとどめておきたいという 人体が編み出した叡智なのかもしれない。
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