1993年

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平成**年 8月 辰、あたしは 辰の最後の顔を見た 身内がいなかったから 仲間とあたしが見た 辰の顔は冷たくて あたしは泣けなかった 辰、あんたの鯉はまだ あんたの冷たい体で泳いでたよ。 辰、あんたはなにも言わずに あたしの前から消えた あたしはそれをただ ぼんやり見ていた 1994年 8月11日 辰、その日はいつも通り あたしは辰を見送った 辰の背中を見て あんたはそのまま死んだ 辰、痛かったね 辰、怖かったね 辰の心の傷がやっと 消えたんだと思った  
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