小さな刺客 -Death-

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「え、ええー……」  絶句するしかない。あまりにも衝撃が大きすぎた。  俺はあの大鎌を見た瞬間に、どこぞの死神が来たんだと戦慄したのだが……。違う。これは俺が想像してたやつとは掛け離れ過ぎている。  見た目は完璧な小学生だ。しかし、ランドセルなど背負ってるはずもなく、代わりにドでかい鎌を肩にかけている。重さなど微塵も感じさせていないのは気のせいだろうか。  服装も奇抜としか言いようがなかった。なんと言うか、メイド服っぽいのだ。もしくはゴスロリ。黒を基調とした色合いに、白のフリルが付いている。  ……最近の小学生はあんなのが流行りなんだろうか? 「イルヴァースの独立機関、全世界均等調律機構の最高組織オルガ=メサイア所属直属危険生命処理部隊“ミネルバ”第二執行師団所属。登録ID.10624497。如月双葉<キサラギ フタバ>。あなたのお命、頂戴致します」  なんか訳わかんねぇ単語の羅列の後、すごく物騒なこと言わなかったかこの娘!? 大鎌を軽々振り回してるのを見ると、全く冗談に聞こえねぇんだけど!  うわ、来た! って早っ!? マジで何者だあの娘!?  ──って、そんなん言ってる暇ない。多分あれ真剣だろうし、弾くなり避けるなりしないと真っ二つは確実だ。  右手に意識を集中させる。頭の中で剣を想像し、イメージを一気に爆発させた。  真夜中に響く金属音。少女の大鎌があと少しで届く寸前で、右手に漆黒の剣が生まれ、同時に刃を受け止めた音だ。  これが──この剣こそが、俺の吸血鬼である証明その1、ヴァンパイア・アビリティだ。
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