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「.....あのね?」
「...あ、ぁ」
「....実はね?」
「...あぁ」
杏から紡ぎ出されていく言葉をひとつひとつ噛み砕くよう食い付き気味に聞き入る。
正直逃げ出してしまいたくなる衝動すら覚えるが、ここは固唾を飲んで見守る。
「.....大切な人が.....出来たの」
「.............」
「.....」
「.....ん?」
!?!?!?!?!?!?!?
心臓に巨大バズーカーで撃ち抜かれたような衝撃が走る。
た、タイセツなヒト?
「大切な...ひと?」
「うん」
「大切.....?」
タイセツ?
耐雪?対説?体節?
そんな会社設立した覚えはねぇし
そんな項目を予算計上した覚えもねぇ。
あ、もしかして新規開拓のプロジェクト名か?
いやいや、試作段階のスイーツの名前か?
そうでなければ
新しくオープンする商業施設の名前のひとつか?
はたまた、そこのマスコットキャラクター原案か
「......」
あぁ、ダメだ。
もう頭ん中、グチャグチャだ。
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