『4』 俺の部屋来いよ……Sweetroom

恩返し

今日は久しぶり竜と待ち合わせをしてのデートの日。

竜は朝一の商談を済ませてから来るということで、駅前に１１時という待ち合わせになった。

人込みは嫌だから……と言う竜、それでいつも車やバイクでのデートになりがちだけど

今日は¨ウィンドウショッピングを楽しみたい¨と言う私のわがままを聞き入れてくれた。

………かなり渋々だったけどね。

それもそのはず、今じゃすっかり有名人になった竜は……それ相当気合いの入った変装をしなければ、すぐにバレてしまうから。

そんな危険を冒しても竜との街中デートを楽しみたいと思うのは……。

やっぱり私のわがまま？

ううん。これは実は竜自らが言い出した罰ゲーム。

夏休み前に実施された学期末テストで、私が見事５０番以内に入ったら……

「変装でも何でもして、お前の好きな場所に連れて行ってやる」

なんて、突然竜がそんなことを言い出した。

元来、負けず嫌いな私は連日連夜死に物狂いで勉強し

そして……見事４３番に食い込めた。

それを報告した時の竜の顔ったらなかったよ。

目を真ん丸くしてさ、ただボー然と立ち尽くしてた。

私はそんな竜の姿を見て、ずっと高笑いしてたっけ。