9147人が本棚に入れています
本棚に追加
「んなことより、お前……俺にどんだけ恥ずかしい格好させて、いつまで待たせる気だよ!?」
竜は私の腕を取ると、人気の無い場所へと連れて行く。
ってか、何故ゆえ叱られる?私。
「はぁ?確かに遅刻したのは悪いと思ってるけど、その格好は自分でチョイスして来たんでしょ!?」
「あん!?俺は孝太郎からお前がコレを着たら喜ぶって言われたから」
「は」
「……ってか、違うのか?」
2人で顔を見合わせる。
『あんにゃろぅぅぅ……』
私は、そしてきっと竜もであろう今頃イタズラっぽく笑い、ピースなんかしてるコタローを思い浮かべる………が。
「ま……でもいつもの竜とは180度違うから、これなら絶対バレないんじゃない?」
そう、少なくとも今ここにいる人には感づかれていないしね。
私は竜の肩をまるで慰めるようにして軽くポンポンと叩いた。
「ちっ……こんなチャラチャラした格好、俺の趣味じゃねぇのによぉ」
気の毒に、ガックリと肩からうなだれる竜。
「そうかな?私は好きだよ。竜らしくなくて笑えただけで………あ!」
やばっ!失言だった。
と、思ったところで覆水盆に返らず。
「ほぉ……笑ったのか。お前、俺のこの格好見て笑ったんだな?」
あれれ?何だろ、竜の背後から凄まじいほどの怒りのオーラが立ち込めているような……。
出来るものなら神様!
私をこの場から瞬時に消し去って下さいまし!!
最初のコメントを投稿しよう!