恩返し

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擦ったもんだな映画も終え、私達2人は小洒落たオープンカフェレストランへと入り 竜はペスカトーレ、私は明太子スパを注文した。 「んな落ち込むなよ」 「だって………」 私は先程の映画の一件を今だに引きずり、ガックシとうなだれていた。 「だいたいオカシイと思ったんだよな。お前があんな恋愛モンを観るなんて言い出すから……なんか思惑でもあったのか?」 ギクッ! あからさまに思いっきりうろたえてしまう私。 それを見逃すハズのない竜が、面白いネタを見つけたように身を乗り出してくる。 「やっぱ何かあったんだな?何、お前のお目当ての俳優とか出てたのか?」 「ち、違うよ」 「そうか……でなきゃ恋愛映画でも観て、俺との恋愛スキルを学ぼうとしてたのか?」 「…………」 当たらずとも遠からず……。 そして、やっぱりとも言うべきか……そんな私に気づいて竜が更に食いついてきた。 「要するに……俺ともっとラブラブしたいっていうこと?」 「/////」 言葉では何も言ってないのに、自分でも分かるくらい顔が真っ赤に反応してしまう。 「ふーん。そういうことか」 イヤラしく不敵に笑う竜がホントに小憎らしい。
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