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目が覚めると、そこはこの前来たところ。
そう、俊作の家だった。
でも、今日は様子が違う。
俊作が服を着ていない。
そして、自分も着ていない・・・
それから、シーツに血がついていた。
もしかして・・・
一瞬にして、酔いが覚めた。
動揺してしまい、身動きが取れない桃子だった。
「んあ、陣川起きたの?」
俊作が目覚めると、そっと桃子を抱き寄せた。
桃子は何が起きているか、わからなかった。
「昨夜のこと、覚えてないって顔してるね?」
俊作の顔が近いのと、肌と肌がじかに触れて、桃子の心臓は大きな鼓動をたてた。
その鼓動の大きさは、俊作にも伝わっていた。
「あの・・・私、何したんでしょうか?」
そう言うと、俊作が答えた。
「陣川から、誘って来たんだからな・・・俺、無理矢理してないから、それだけは誤解しないで欲しい。」
そう言われて、余計に恥ずかしくなっていた。
私は一体、何をしたんだろう。
体を少し動かすと、下半身が痛いような気がした。
「昨日の夜、酔っ払って、家まで来たんだよ。それで、抱いてくれっていうから・・・俺、陣川が可愛くてつい、抱いちゃったけど・・・
お前な、処女だったなら、最初にそう言ってくれよな。
責任感じちゃうだろう・・・」
「ごめんなさい・・・よく覚えてなくて・・・」
桃子が、俊作のマンションに自分から来た事が、信じられなかった。
普段なら、絶対にしない行動だが、この時桃子は、母の言葉を思い出した。
お酒は呑んでも、呑まれるな。お酒を覚えるのは、もっともっと年を取ってからでもいい。
そんな母の言葉を、裏切ったから、こんな結果になってしまったのだ。
桃子は、恥ずかしさと、悲しさと、俊作の肌が触れる暖かさで、気が狂いそうだった。
「覚えてないなら、もう一回する?」
悪戯に微笑む俊作に、胸がドキドキして、眩暈さえ覚えた。
何も言い出せないまま、俊作が桃子にキスをした。
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