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酔っているときの桃子は、色気がたっぷりだったが、酔いが覚めて、目の前で子供のように怯えている桃子も、また違う意味で可愛いかった。
俊作は、この数週間、本当は桃子と話をしたかったが、恥ずかしくて、目を合わせられないでいたのだった。
ベッドの上では、桃子をリード出来る。
だが、仕事となると、桃子の完璧なまでのやりこなしに、脱帽するほどだった。
だから、今、桃子をリード出来るという優越感が、俊作を過激な行動へと走らせたのだ。
桃子は、少し体が震えながらも、次第に俊作に身を任した。
これは、夢なのかも知れない。
私が、そんな大胆な事をするはずがない。
今、現実にキスをしたり、体を重ねていても、とても自分自身の事だとは、思えなかった。
そして、そのまま抱き合い、朝を迎えた。
一度越えたラインは、桃子を快感へと誘うのだ。
もう一度、抱いて欲しい。
そう思っていたが、朝が来てしまい、桃子は俊作と会社へ向った。
車の中で、俊作に言われた。
「会社では、上司と部下だからな。わかった?」
その言葉の意味が、桃子にはなかなか理解出来なかった。
また、平凡な日常に戻されるのか。
そう思い、落胆していた。
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