第七羽

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俊作が出張から帰ってくると、引越しすることになった。 高志と、佳代には、あれ以来、桃子は会っていなかった。 だけど、引越しする事を伝えた方がいいのかも知れない。 そう思っていた。 実家へ久しぶりに向う。 インターホンを押すと、すぐに佳代がやって来た。 「桃子さん、久しぶりね。」 華やかな笑顔は、相変わらずだ。 自分が男でも、やっぱり智代ではなく、佳代を選ぶのかも知れない。 でも、ふと気がついた事がある。 智代と、佳代は、名前が一文字被る。 なぜだか、少し不自然な気がする。 「桃子さん、綺麗になったね。」 お茶を桃子に出しながら、佳代はそう言った。 「この前、話していた彼と同棲することになったんです。」 今まで、恋のこの字もなかった桃子が、男と同棲と聞いて、佳代は驚いた。 「そうだったんだ。なんか、知らない間に、桃子さんも大人になったのね。嬉しいわ。」 佳代は、この前、桃子が高志を責めた話を、きっと知っているのに、何もなかったふりをするのだった。
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