第七羽

7/11
前へ
/96ページ
次へ
俊作が出張から帰ると、引越しが始まった。 「桃子って、本当整理整頓上手だよな。」 智代の教えが、俊作との生活で、役立つ事が多かった。 Yシャツのアイロンの掛け方は、いつも厳しく言われていた。 洗濯の仕方や、畳み方も、細かく言われた。 だけど、それが今、こんなに役に立つとは思わなかった。 「結婚したら、いいお嫁さんになれそうだな。 近いうちに、結婚できればいいね。」 そう言うと、俊作は笑顔になった。 俊作の笑顔に、桃子は癒される。 でも、頭の片隅に、やはり智代の事が残っていて、素直に喜べなかった。 いずれ、結婚となると、親に挨拶に行かなければいけない。 その時、高志と顔を会わせなければいけないのだ。
/96ページ

最初のコメントを投稿しよう!

250人が本棚に入れています
本棚に追加