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俊作が出張から帰ると、引越しが始まった。
「桃子って、本当整理整頓上手だよな。」
智代の教えが、俊作との生活で、役立つ事が多かった。
Yシャツのアイロンの掛け方は、いつも厳しく言われていた。
洗濯の仕方や、畳み方も、細かく言われた。
だけど、それが今、こんなに役に立つとは思わなかった。
「結婚したら、いいお嫁さんになれそうだな。
近いうちに、結婚できればいいね。」
そう言うと、俊作は笑顔になった。
俊作の笑顔に、桃子は癒される。
でも、頭の片隅に、やはり智代の事が残っていて、素直に喜べなかった。
いずれ、結婚となると、親に挨拶に行かなければいけない。
その時、高志と顔を会わせなければいけないのだ。
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