第七羽

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桃子は、高志に会いたくなかった。 会うと、憎んでしまいそうだ。 でも、何かがやっぱり引っかかるのだった。 「来月、母の命日なの。」 桃子がそう言うと、俊作は驚いた顔をした。 「そうだったの?全然知らなくてごめん。」 桃子だって、智代が死んだ時、そんなに悲しくなかった。 だから、そんな素振りは見せなかったし、見えなかっただろう。 でも、恋をしてから、智代の無念を思うと、最近は悲しくなるのだった。 「お墓参りに一緒に行こうか。」 俊作が優しく、そう言ってくれて、桃子は嬉しかった。 だけど、本当に薄情な娘だった。 私は、母が死んだ時に、一度も涙を流さなかった。 父も、佳代も、誰もが、母が死んだことに、ホッとしていたんだ。 それが、今になって、悔やんでも悔やみきれない・・・
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