第七羽

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俊作と一緒に暮らし始めると、色んな事がわかってきた。 あの時、俊作の行動がよくわからなかったが、お互いそう思ってたって事。 育った環境も違えば、性別だって違う。 だから、考え方や行動が違って当たり前だってことも。 桃子が思ってたよりも、俊作は勝手な男じゃないということも、わかってきた。 ただ、思ったよりも嫉妬深い。 他の男と話すと、その夜はかなり激しく桃子を抱くのだった。 それでも、やっぱり俊作が好きだ。 もし、俊作に愛人が出来たら、桃子はきっと、智代のようになってしまうのだろうか。 智代は、24年も耐え続けたのだ。 そう思うと、やっぱり父を許すことは出来ないと、桃子は思った。 愛する人には、裏切られたくない。 桃子が愛して初めて知ったことだった。
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