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話もあまり弾まないが、俊作は一生懸命、高志と話をしていた。
そして、お別れの時に、高志が俊作に言った。
「桃子をよろしくお願いします。」
と同時に、深々と頭を下げたのだった。
俊作は、ずっと緊張しっぱなしだった。
だから高志達と別れた後、ホッと一息ついた。
「わぁ・・・本当久しぶりに緊張した。」
桃子も、俊作の緊張っぷりに、くすくすと笑った。
「笑うなよ。こっちは必死だったんだから。」
桃子は、高志の事は許せないが、俊作にまで迷惑を掛けたくはなかった。
「佳代さんって、桃子か、桃子のお母さんの妹さん?」
「え?」
俊作の思いがけない一言で、桃子は驚いた。
「何で?全然血のつながりはない人よ。」
桃子がそう言うと、
「そうなのか、あまりにも、桃子に似てたからさ。」
俊作はそう言った。
桃子の心臓が、音を立てて鳴り始めたのだった。
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