第八羽

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でも桃子は、今は一人じゃないのだ。 俊作が傍に居てくれるんだ。 桃子は、それだけで強くなれる気がした。 それでも、智代から教わった事はやっぱり多かった。 俊作と結婚が決まった時も、桃子は智代から教わった料理や、裁縫、それからアイロン掛け、掃除の仕方・・・健康管理の仕方、全て嫌でも身についていたのだ。 思い出したくないのに、生活の全てが智代と関係してしまう。 やっぱり、智代の呪縛から逃れる事は出来ないのかも知れない。 桃子は、俊作と結婚するために、会社を寿退社した。 愛する人と結ばれる事こそ、人の人生にとって、一番幸せな瞬間なのかも知れない。 そして、愛する人の子供を産む事、それが最高の愛の形なのかも知れない。
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