第九羽

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「俊作さん、悪いわね。」 佳代は、お掃除の手伝いに来た俊作に、そう言った。 「いえいえ、桃子が妊娠しているのに、働かせるわけには行きませんからね。」 すっかりパパの風貌で、俊作はそう言った。 智代の部屋の掃除をしていると、桃子の写真が大量に出てくる。 「桃子、かわいいなぁ。」 俊作が小さい頃の桃子の写真を見て、にやけていた。 「桃子がこんなにかわいいんだから、生まれてくる子は俺と桃子に似て、きっともっともっと可愛い子なんだろうね。」 俊作は、桃子にそう言った。 「いやーね、のろけは。」 佳代がそう言って笑った。 3人はとても幸せだった。
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