序章

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ほんの少しだけ沈黙が流れたが、十六夜がためらいながらも口を開いた。 「最後のお願い、聞いてくれる?」 「・・・・・・・・・」 魅月は返事をしなかった。 「最後」。 その意味がわかるからこそ、できなかった。 十六夜も、その沈黙で魅月の気持ちがわかるから、聞き返すことなどしなかった。 「・・・あの子たちを、頼んだわ」 魅月は木の枝に手をつき、反動で飛び降りた。 「・・・・・・承知」
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