第1話

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「リオン…いや、ショウ・シシド。 貴様の噂は聞いている。 今まで数多くのデスバイスのエージェントを葬り、あるいは逮捕してきたようだが…それも今日までだ!」 白き騎士は、相当な実力を持っている。 素早くショウの目前まで迫ると、素早い斬撃で繰り出して来る。 「こいつ…今までのエージェントとはまるで違う!」 並みのエージェントならば、数人程度では束になってもショウにはかなわないだろう。 だが、白き騎士はたった一人でもショウと互角以上に渡り合っていた。 幾度となく行われたつばぜり合い… その結果ついにリオンのスラッシャーの刀身は折られてしまった。 「はっ!」 ショウは、後ろに飛び退くと、拳に力を込めた。 「運にも見放されたか、ショウ・シシド!」 白き騎士は、素早くショウに詰め寄り、渾身の力を込めて剣を振り下ろしたが、ショウはそれをかわして逆に顔面に鉄拳を見舞った。 宙を舞う騎士の仮面… すると、金髪の長い髪を振り乱す騎士の素顔が現れた。 その顔を見たショウは一瞬戸惑いを見せた。 「さらばだ、赤き獅子…ショウ・シシドよ!」 ズバッ… ほんの一瞬の隙を突いた白き騎士の斬撃が、ショウを一刀のもとに… 装甲ごと体を切り裂いていた。 「ぐあぁぁっ…!」 おびただしい血を流し、倒れそうになるショウ。 だが、倒れずに足を踏ん張らせて、必殺のキックを放った。 「ハァァッ!」 「甘い!」 白き騎士もキックを繰り出す。 二人の体は交差し… ついに決着がついた。 アイゼンヴォルフ隊が到着したのはその30分後であった。 アジトにはレッドリオン隊メンバーの死体が無惨にも転がっていた。 「遅かったか…ショウ…ショウは?!」 ジュンヤはショウを探しまわった。 そして倉庫の中ほどに倒れているショウを発見したが…。 「そんな…うわぁぁぁ… ショォォォゥ!!」 ショウは、すでに息絶えていた。 ジュンヤは、ショウの亡骸を抱いて、ただ泣き叫んでいた。 …そして間もなく、マープス本部に通信が入った。 通信を受けたカホは… 「アイゼンヴォルフ隊より通達… レッドリオン隊、ショウ・シシド以下5名…殉職しました… う…うぅ…ショウ… うわぁぁぁーーっ!」 これは、犯罪組織デスバイスと、正義の特殊部隊マープスの戦いの記録である。 つづく
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