プロローグ

5/13
前へ
/31ページ
次へ
―僕は3年前、野良猫だった。 だからお腹を空かせて痩せ細っていても 他の猫と喧嘩をして傷だらけになっていても誰も助けてくれなかった。黒猫だから余計にそうだったのかもしれない。 「人間って冷たいな…。」 でも人間に期待なんてしていなかった。 そんなとき、ある男が痩せ細った僕を抱き上げてくれた。僕は必死にもがいて引っ掻いたけど、男はてとても悲しそうな顔をした。僕はそれをみて逃げようとするのを止めると、男は手に持っていた小さな箱に僕をそっと入れて、急いでどこかに向かった。
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加