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『それでは…お別れの時間です。また来週も訊いてくださいね♪お相手は…HAZUKIと…』
『水野弥生でした♪』
ラジオの収録が終わる…
「はいっ!お疲れ様!いいよー葉月ちゃん!」
マネージャーの山田くんがパチパチと手を叩いた。
私は初めてのラジオのDJが終わり、ホッとため息をつく。
「お疲れ様!葉月!最初の収録だって言うのに、全然緊張してなかったじゃない!さすが~」
同じ事務所の先輩、水野弥生(みずの・やよい)ちゃんが握手を求めてくるから、手を握った。
「なに言ってるんですかぁ~緊張で汗ビッショリ~、ラジオで良かった~テレビだったら、脇の下見せられないわ~」
と笑うと弥生ちゃんも笑ってくれる…
「笑ってる場合じゃないでしょ、葉月…」
その冷たい声にピタッと2人の笑いが止まる。
マネージャー兼会社の副社長を勤める山下由香里が、メガネをクイッと上げながら、私の前に立つ。
「え…なにか私失敗を…」
少し怯えながら山下マネージャーに訊ねる。
「失敗?大失敗ね…なんでTOMOYAが兄のこともっとアピールしなかったの…」
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