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次…またその次…
確かに…雑誌の後ろの方にあるだけあって、物語は雑だし、面白い……とはけして言えない…
けど…
「葉月ちゃん?葉月ちゃん!」
マネージャーに呼ばれ、ハッと顔を上げる。
「あ…ごめんなさい、なに?」
私が訊くと山田くんは苦笑いを浮かべている。
「ううん、おとなしいから起きてるのかなぁ?て思ってさ…そしたら集中して漫画読んでるし…何の漫画読んでるのかなぁ?て…」
笑う山田くんに私は中井の漫画を開いて見せる。
「この作者知ってる?東山コウ…って…」
バッグミラーで私を見ながら答える山田くん。
「ああ、確か去年だったか一昨年に新人賞を取った有望な若手だよ…特に女の子を描かせたら、右に出る者はいないって言われていた…」
へぇ~
あの中井がね~
凄い奴なんだ~
と内心、感心してると、山田くんが続けて話してきた。
「けど、スランプになったって噂で、その漫画も面白くないだろ?来週には打ち切りじゃないか?って噂だよ。」
ハハハハと笑う山田くん。
「え……」
なぜだか、少しショックを受ける私がいた。
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