3150人が本棚に入れています
本棚に追加
交差点に来て、運転する山田くんが悩む。
「さて…弥生ちゃんと葉月ちゃん…どちらを先に送るか…弥生ちゃんならここ右だし、葉月ちゃんなら左…」
ブツブツと呟く山田くんに私も弥生ちゃんも、手をふる。
「あ、私はいいから弥生ちゃんを…」
「葉月ちゃんを…」
2人同時にハモる。
思わずプッと2人顔を見合わせ笑う。
「も~イヤだ~、本当に私ここでいいから弥生ちゃんを送ってあげて!」
私は笑いながら言うと後部座席のドアを開いた。
車はまだ赤信号で止まっていた。
「ちょっと葉月ちゃん!大丈夫なの!?送っていくってば!」
山田くんが慌てて車から降りる私を見る。
「平気平気!歩きたい気分なんだ。じゃあね~♪」
バタンとドアを閉めるのと同時に信号が青に変わって、山田くんは心配そうな顔で私を見ながら車を走らせて行った…
私が降りた場所は、ちょうど昼間マックの袋を片手に来たあの公園が横に見えていた。
「ここからなら、帰れるわ…」
私は呟くと、アパートに向かって歩き出した。
しかし…
あれえ?おかしいな…
最初のコメントを投稿しよう!