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私は、目の前に置かれたコーヒーカップを持つと、そのいい香りを楽しむ。
「ん~いい香り~」
私は別に珈琲が好きって訳じゃない…
むしろどちらかと言うと紅茶派なんだけど……
今は、手に持っている珈琲が無性に美味しそうな物に見えていた。
ズッ…
私はカップに口を付けると、一口飲んでみる…
!?
「美味しい!こんな珈琲初めて!」
あまりの美味しさに思わず口に出して感激すると、店員さんが笑う。
「そりゃあ、雨に濡れて寒くなってれば、温かい物ならなんでも美味しく感じるだろ?」
ハハハハと笑う店員さん…
「そうか…そうだよね…アハハハハ…」
釣られて私も笑う…
確かに雨に濡れて体温が下がっていた時に温かい物を飲めば、なんだって美味しく感じるだろう…
けど、それだけじゃないような気が私にはしていた…
確かに美味しいのだ。
「はぁ~落ち着く~今日1日、嫌なことばかり続いたけど、最後にこんな美味しい珈琲に会えたから、良かったかも~」
珈琲のおかげで、体温が上がってくるのが分かると、ホッと、安心する。
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