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カリカリカリカリカリカリ…
部屋に、Gペンの音が響く…
山のようにつまれた、タバコの吸い殻…
プカプカと次から次へとタバコを吸うものだから、部屋の中はタバコの煙りで真っ白になっていた。
頭はボサボサで、服は汚く汚れ、髭も伸びていた。
『ルカ』の休みの日はいつも俺はこうだ。
朝から時間がたつのも忘れるくらい集中して漫画を描いている…
誰が読んでくれるでもない…
ただ描いていないと落ち着かないのだ…
連載を持っていた時は、描くのが嫌で嫌で仕方なかったのに、今は、がむしゃらに描いていた。
少しでも、描くことから離れると、絵が下手になってしまう気がして仕方ないから…
「ミャ~」
猫のビコタンの声で、やっとペンを置く。
「ふぅ~」
チラッと窓を見ると、もう外は暗かった。
「あれ?いつの間に?」
時間の経過に驚いていると、ビコタンがまた鳴く。
「ミャ~」
ふと気付くと、ビコタンの餌入れに、餌は無かった。
「ああ、そうか…今朝餌あげたきりだもんな…悪い悪い…」
俺は、『猫缶』と書かれた缶詰めを開けると、餌入れの皿に入れてやる。
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