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「グルルル~」
喉を鳴らしながら、餌を食べるビコタン。
丸々と太っていて、本当に一瞬タヌキか?と思えるほど、顔も体も丸みがある。
「慌てずにゆっくり食べろ…」
俺は、夢中になって餌を食べているビコタンの頭を撫でてやる。
ピンポーン♪ピンポーン♪
隣りの部屋の呼び鈴だ…
このアパートは古いし、壁も薄いから、少し大きい音がすると、聴こえてくるのだ。
「南野さーん?宅配便でーす!南野さーん?」
ドンドンとドアを叩く音…
男の声…
この時間、隣りの部屋のアイドルは、ラジオの放送がある為、出掛けている…
「南野さーん?」
ドンドン!
隣りの部屋をノックする音が響く…
「やれやれ…」
俺は立ち上がると、自分の部屋のドアを開けた。
「今の時間いませんよ~」
俺が言うと、ドアをノックするのを止めてこちらを向く男性…
緑色の帽子と緑色のユニフォームの宅配便のお兄さんがこちらを向く。
「留守ですか?まいったなー時間指定だったから、来たのに…」
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