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「何って…見た通り、傷の手当て?」
一番見えやすくて分かりやすい左肩を指差して言った。
あんまり言いたくなかったけど、まぁ見られちまったし、変に隠せば後で知った時うるさそうだしな。
「え…。」
驚いた顔して俺の体(正しくは左肩)をガン見して、んで赤い顔が何処へやら、今度は少し泣きそうな顔しやがった。
「なぁルビー、どうせ目覚めバッチリだろ?手貸せよ。あとはこの肩に包帯巻くだけだからよ。」
ルビーがショック受けてる間もテキパキと手当てを終わらせて、一番嫌な左肩のみになった。
「あ…わ、わかった。」
俺の隣に座って包帯を巻くルビーの表情はやっぱり暗い。
「んな顔すんなよ。」
「でもアメジスト、たぶんこの傷は痕が残ると思う。キミは女の子なのにこんな傷痕、それもだいぶ目立つ所に…。」
ナイトキャップかよ!!と昨夜ツッコンだ、ルビーのいつもの帽子を思いっきり引っ張って脱がし、さらに俺はルビーの髪をグシャグシャと乱暴にかき混ぜだ。
「ちょ、ア、アメジスト!!帽子を「うるせぇ。」
ガシッとルビーの前髪をわしづかんで、(ちゃっかり俺が寝る前に帽子脱がして見つけた)傷痕を眺める。
「お前もあるから、別にいいだろ。」
「!!アメジスト!!キミまさかボクが寝てる間に痛たたたたっ!!」
「痛えのはこっちだバカ!!痛っ、きつ、痛えって!!」
「仕方ないじゃないか!!こんな傷じゃ痛いのは当たり前だ!!」
ルビーの前髪を掴んだまま、包帯が巻き終わるのをじっと見ていた。
くそ、こいつわざと痛くしやがった!!
涙出てきたじゃねぇか!!
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