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「ありがとうございましたー!!」
うげ~…手持ちとかならまだしも、人間増えるって面倒だな…。
「ま、量増えても後で額は割り勘だから楽っちゃ楽だな。」
財布だけはな。
いつもより重い鞄をうんざりした顔で眺めて心の中で少し愚痴ると、回りを少し見回した。
人気のない広い場所を見つけて地面に大の字に寝転ぶ。
今日の夜には次の町に、とは朝思ったけど、今までそんな風に旅して来なかった俺は正直今面倒に思い始めていた。
まぁルビーとの約束だし、そうすっけどさ。
「…ルビー待ってるから急がねぇと、だよな。」
言葉にしても起き上がる気にはなれない。
なんとなく迎えに来てくれねえかな、とか思い始めて首を振ってその考えを追い払う。
ルビーが待ってるんだ、今度こそ俺が―――
「…『今度こそ』って、なんだよ…?」
上半身を起こして、自分の両手を見つめる。
―――今度こそ俺があいつを守ってやるんだ、もう傷つかないでいいように―――
一瞬過ったその言葉に、ただ俺は驚くしかなかった。
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