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マリアノ:昔昔、ある所にとても勇敢な青年がいました。彼の名はヘキレス。ヘキレスはある日、ある池に目がとまりました。なぜならその池には美しい魚が泳いでいたのです。
ヘキレス:なんと美しい魚なのだろう
マリアノ:ヘキレスはその魚をよく見ようと池に顔を近付けたとたん、首飾りを落としてしまいました。
その首飾りはヘキレスの母の形見でした。
その首飾りを魚は食べてしまいました。
ヘキレス:あぁ、どうしよう。母の形見を食べられてしまった。
マリアノ:慌てるヘキレスに声をかけたのは首飾りを食べた魚でした。
アルテナ:ありがとうございます。この首飾りは私の声だったのです。
マリアノ:魚はそう言うなり、美しい金色の髪と海のような青い目の女神様に姿を変えました。
アルテナ:悪い竜に声を奪われてしまい、長い間探していたのです。
マリアノ:女神様はお礼にとヘキレスを神の国へと招待してくれました。夢のような世界でした。
ヘキレス:この場所はすばらしい。ですが私は帰らなければならない。
マリアノ:女神さまは少しだけ悲しそうな顔をしましたが、ヘキレスを見送ってくれました。ですが。
イヴァル:なんだアルテナ。声を見つけてしまったのか。ならばアルテナごと貰っていこぅ
マリアノ:別れを告げようとしたとき、女神様の後ろに黒い竜があらわれて、女神様をさらっていってしまいました。空の神様はヘキレスに女神様を助けてくれと頼みました。竜を倒すためにヘキレスに授けられたのは火の女神様からは消えることのないトーチ。土の神様からは破られることのない盾。空の神様からは風を起こす槍を貰いました。竜は深い闇のなかに住んでいるようです。ヘキレスはトーチを闇のなかに投げ入れました。すると一面に明かりが溢れました。目が眩んだ竜は暴れだしました。
イヴァル:ぎゃぁあああ!?眩しい!!目が見えない!!
マリアノ:暴れる竜の上にヘキレスは飛び乗り、頭を目がけて槍を突き刺しました。すると槍は竜の頭に突き刺さったとたん風を起こし、竜を世界の果てへと吹き飛ばしてしまいました。
ヘキレス:女神様、ご無事ですか!?
アルテナ:助けてくださってありがとうございます。
マリアノ:そして槍を持つヘキレスはふと思い出しました。自分は本当は風の神様であり、女神様を探すうちに槍を無くし、自分を人間であると思っていたのでした。
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