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――楓退院から2日後――
ふと目を覚ますと部屋の壁に掛けてある時計は8時半を差していた。
ヤバイ!完璧に遅刻じゃないか!
どうして母さんは起こしてくれないんだよ?
もしかして、もう会社に行っちゃったのか?
勢いよく部屋から飛び出して階段を駆け降りるとキッチンで料理をする母親の姿が見えた。
「母さん!いるんなら起こしてくれよ!」
あれ?なんか声が少しおかしい?
もしかして風邪のせい?
でも体調は万全だし。身体も軽い。
なんて考えながら洗面台に向かい、冷たい水で顔を洗う。
ヒャァァァ……。
そろそろ水で顔を洗うのがキツイ季節になって来たな。
タオルで顔を拭き、鏡を見るとそこには可愛いらしい女の子が映っていた。
なんとなく母さんに似ている気がした。
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