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「楓ー!楓ー!」
1階から物凄い大きな声で呼ばれる。何事かと思い降りて行くと、お土産らしきものを持った親父が帰って来ていた。
「おかえり。珍しく早いね。」
俺が喋り終わると同時に親父はスッと近付いて来て俺を抱きしめる。
「ただいま!楓が目を覚ましたって母さんから聞いて、急いで帰って来たんだ。」
耳元で言われるが突然のハグにビックリして身体が動かない。
「えっと、これは何?」
「俺は娘が欲しかったんだ!
娘が出来たら毎日抱きしめてあげようと決めてたから。」
訳の分からん事を言っている父親を振り払い、キッチンで夕食の準備をしている母さんの元へ向かう。
「なんか、親父が気持ち悪いんだけど。」
「お父さん、昔から娘が欲しかったのよ。ちょっとウザいかもしれないけど、最初だけだから我慢しなさい。」
なんだか少しダークなオーラを感じたけど気のせいか。
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