2828人が本棚に入れています
本棚に追加
3人で夕飯を食べ終えた後、親父は嬉しそうに自分の買って来たケーキを冷蔵庫から取って来る。
「楓が目を覚ました記念に買って来たんだ。」
目覚めた記念って何だよ。とは思ったけれど、親父があまりにも嬉しそうなので突っ込めなかった。
しかし、よりによってケーキなんかを買って来るとは……、親父だって俺が甘いもの嫌いだってこと知っているはずなのに。
俺の隣では母さんが、満面の笑みで箱から自分の皿にモンブランを移している。
そんなに嬉しいかね?
その小麦粉と砂糖の塊が。
「お前はどれにするんだ?」
ケーキの箱を渡され、甘いもの苦手なんだよ。と断ろうとしたが、なぜか少しだけ美味しそうだな!と思ってしまった。
そして、無意識のうちにショートケーキを取り出して自分の皿に乗せていた。
最初のコメントを投稿しよう!