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手を合わせ、いただきます。と言ってからフォークでケーキを口に運ぶ。
「……美味い。」
ポツリと呟いた俺の言葉を母さんは聞き逃さなかった。
「今までは甘いもの全然ダメだったのにね?体質が変わるってこういうことなのかしら?」
母さんの言葉は俺の耳に届くことはなかった。
それくらい俺はケーキに夢中になっていた。
ケーキを食べ終えると、お茶を飲みながら家族会議が始まった。
「これからお前は女として生きて行かなければならない。慣れない事や辛い事もあるとは思うが俺と母さんがお前のサポートはしっかりやってあげるから安心しなさい。」
「……親父ぃ。」
「いやぁ、本当!娘って最高だなぁ!」
一瞬でも感動した自分がバカだったよ。こういう親父だって事を忘れていた。
「学校の事はどうするんだ?俺と母さんで決めるのは簡単だが、やはりお前の意志を尊重してあげたい。」
う、急に真面目な話をするんじゃねぇよ。
反応に困るだろう。
「……今日1日考えてたけど、まだ決められない。もう少し時間が欲しいんだけど?」
「うん。答えが出たらまた教えてくれ。」
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