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6月25日
本館3階
第2委員会会議室
9月14、15日の文化祭の企画は6月から始まっていた。
4月の新クラス発表で文化祭実行委員を中学は各クラスから二名ずつ、高校は各クラスから三名ずつ選んでいる。
その全体会議の下準備がすすめられていた。
委員会会議室のテーブルを5人がかこむ形で幹部が集まっている。
右から委員長で高校3年生の向井孝、副委員長で高校2年生の堂島紗枝、同じく副委員長で中学2年生の星島康太、広報チーフで高校1年生の渋谷さくら、後夜祭チーフで高校1年生の仁科優人、警備チーフで高1の松田孝太だ。
ちなみに高校2年生の企画チーフ、吉澤翔は別件で忙しくここにはいない。
全体会議が1回も開かれていないこの段階で、なぜ幹部は決まっているのか、これは文化祭実行委員会の顧問、「ハゲ絵描き」こと笹井の意思を以てだから今さらどうこう言い様もない。
星島が口火を切る。
「とにかく、全体会議では今年度の動員目標は発表したほうがいいんじゃ?」
「いくつにするつもりなの?
去年は目標3000で来たのが2300、今年の目標が4000とか言うんじゃ?」
さくらは、あくまでも『目標の達成』をモットーにしている。
「3500だ。」
向井が目標を口にした。
「渋谷、それでいいな?」
さくらが首を縦にふった。
「渋谷、今年は後夜祭も力をいれる。
ビラにその事を書いておいてくれ。
ただネタバレはオフレコ、いい?」
追加で注文をつけたのは仁科だ。
さくらがまた首を縦にふった。
「じゃ、あとは全体会議の時に」
「忘れんなよ」
向井の念押しに全員が頷き、委員会会議室は空になった。
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