右と左

4/14
前へ
/70ページ
次へ
耳に届いたのはズシャッという自分の体重が氷に投げ出された音だった。 手をついて顔を上げる。 練習着だった為に寒さは感じなかったが、何も纏わぬ両手からは氷の冷たさが直に伝わった。 その冷たさが物語る。 「飛べない」、と。
/70ページ

最初のコメントを投稿しよう!

29人が本棚に入れています
本棚に追加