1*哀してる

6/11
前へ
/30ページ
次へ
-ジュウー 『あっ…』 私は考え事をしていて煮物の火を弱めるのを忘れていた 『あぁ~、汁がこぼれた』 -なんで思い出してんだろ… 私はこぼれた汁を拭きながらまた思い出していた ある日突然愛してるの数が増えた… それは、くぅが雨音を好きになりはじめたころ… きっと私を好きでいてくれようとして無意識にでている言葉… 日が経つにつれて多くなる言葉 そしてある日の帰り道… 「なぁうみ、俺…」 『ん~?どうしたの?』 「あのさ…」 『あ、私さ今日買い物行かなきゃいかないんだ、ごめん』 「あ、うんそっかじゃぁ、また後で言うよ」 『ごめんね、じゃぁね』 「おう、ってか、手伝うよ?」 『大丈夫だよ、そんなに大荷物じゃないから!!』 「そうか?じゃぁ、気を付けて帰れよ!!」 いつもそうして、くぅの言葉をさえぎっていた でも、その度にくぅは哀しそうな顔をする -ごめん、私はくぅを手放したくないから… そうこれは私の意地だった…
/30ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加