3章 夢の中で

6/7
前へ
/32ページ
次へ
「名前…ですか? 今までは番号で呼ばれていたので…」 「じゃああなたは名前が無いの?」 エリンは尋ねた 「はい…」 少年は小さな声で答えた 「そう…。それは困ったわね。 そうだ!私があなたの名前を付けてあげましょう」 「えっ!?よろしいのですか?」 少年は戸惑いながらも尋ねた 「ええ。勿論よ。 名前がなければ呼びにくいでしょう」 エリンは微笑んで答えた 「ええと…。あなたは狼に似ているわね…。 そう!!『狼(ラウ)』というのはどうかしら?」 「『ラウ』ですか……?」 「そうよ。狼のラウ。 あなたの名前は今からラウよ」 「ありがとうございます………。」 「ど、どうしたの?」 急に涙ぐんでしまったラウを見ながら慌てて声をかけた
/32ページ

最初のコメントを投稿しよう!

83人が本棚に入れています
本棚に追加