2章 少年の行方

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2章 少年の行方

カザルムではエリンとリランがいつものように牧場を散歩していた すると…… 「ヴーッ」 と、リランが鼻をひくつかせて低く唸り始めた 「どうしたの?リラン!?」 エリンがリランに訪ねると、リランは匂いのする方へゆっくり歩いていった 「ちょっと待ってリラン。何かあるの?」 エリンが見つけたものは遠くからは丸太のようにしか見えなかったが、近づいてよく見てみると人の形をしていた 「!! 人だわ! 大変!! 早く助けないと」 しかし、リランの唸りはますます強くなるばかり 「リラン、うるさい。少し黙ってて」 エリンが軽く命じると直ぐに唸りは止まり、に大人しくなった エリンは沈みかけている人間を素早く抱き抱え、地面の上に横たわらせた 見ているだけで痛そうな傷や既に化膿している傷も見え、体中に泥がこびり付いており、エリンには男か女か分からなかった 「とにかく、早く手当てをしなくちゃ…!!」
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