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カツカツカツ
自分の靴の音が響く程静かで
誰も近づきたがらない忘却の塔
今も聞こえるのは上に昇る自分の足音だけ
カツカツカツ
足音は響いて
一つのドアの前で止まる
この塔の唯一の部屋の前で
「入るよ、アリス」
ノックもせずに入る
部屋の住人はベッドの上で倒れていた
今日は真っ赤なエプロンドレスを着ていて
「今日は只の着せ替え人形だったのかな?」
「…………なんだ、白兎か」
起き上がるのも面倒なのだろうか
チラッとこちらを見て、また枕に戻る頭
「今日の女王様はどうだったかい?」
「えらく機嫌がよかったよ、今日はまだ誰も首を刎ねられてないんじゃね?」
「そっか、なら僕も大丈夫かな」
「いや、アンタはムリだろ」
女王様は僕の事が嫌いらしい
アリスを彼女の前に連れてきたのは、僕なのに
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