1章

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  「ん、ぅ……っ」 抵抗しようとするも 先程自分でも言っていたように今日はお疲れらしく その力さえ、微弱な物で 「イイコトしようか、アリス」 「はっ……断るっ」 「別に抵抗してもいいよ?」 抵抗されるのは結構好きだから 嫌悪で歪む顔が何よりもこの子には似合うから 「悪趣味、め…っ」 「何とでも」 先に進もうと服に手をかけた辺りで 窓に勢い良く叩きつけられる音 此処は塔の最上階な訳で 普通の者が叩ける高さにはないのだが 「………お呼び出しかぁ」 「はっ、残念だったな」 勝ち誇った顔のアリスに少しむっとする そのむっとした感情のまま首元に傷跡を一つ 「……っ」 「これが消える前にまた来るよ」 「もう来なくていいさ……第一時間にルーズな白兎だろ?」 「好きな子の為にならステータスさえも変えてみせるさ」 じゃあ、と笑顔で手を振れば もう来るなと罵倒が飛んでくる あぁ、だからアリスは手放せない 例え、女王様の玩具だとしても  
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