1章

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  所変わって、謁見室 今日もお偉いさん方が早々に揃っていて 中央には勿論、真っ赤なドレスのハートの女王様 「白兎、その首の時計事お前の首を刎ねてしまおうか」 出会って最初の言葉がそれである その言葉には軽く肩を竦めただけの反応を返しておいた 「で、早急に僕が呼ばれた理由はなんですか?」 折角のお楽しみ時間だったのに、とは言わなかった ああやってアリスと会っている事はこの方には秘密だから 「あぁ、お前に一つ重大な任務を授ける」 「それはそれは光栄な事で」 「時間にルーズなお前にはピッタリだ」 はんっ、と鼻で笑う女王様 高飛車なその性格は見た目にも表れている 強気な人って、此処まで来ると嫌われるんだろうな なんて暢気に考えている 「さて、どんな内容なのでしょうか?」 「猫の捜索と、アリスの護衛」 悔しそうに顔を歪める女王様 まるで僕に頼むのが一生の恥だとでも言いたげに  
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