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それは、まだ寒さ厳しい冬の出来事だった。
その出逢いは本当に突然にやって来た。
まだ、高校生であるから当然、学業に赴く必要がある。
回りくどい言い方だが、つまり、学校に行くということである。
そして、学校に行くということは、その逆、つまり家に帰るという動きを含む。……当然だ。
ちなみに言い忘れてた、俺の名前は、
折矢 拓未 (おりや たくみ)だ。
まあ以後みしりおきを。そんなことはどうでもいい。
話を戻す。えーと、ある冬の日にその出逢いはあった。
いつも通りの帰宅の路。しかしそこでいつも通りでない光景を目にした。
それが何か?……悪夢さ……今も後悔してるとも…なぜあれを拾ったのかを……
帰宅の路にあった普段目にしないもの、それは、段ボール箱。おまけに、
「にゃーにゃー」
と、鳴き声までする。ちなみに余談だが、俺は一人暮らしだ。そして、家は、一軒家だ。
なんで学生が一軒家に住んでるかって?……うちの両親は早々に他界してるのさ…だから家だけがある。
こんだけ状況が良ければ、俺のするべきことは1つ、段ボール箱を拾うべきだ。
生憎だが冬場に捨てられた可哀想な生物を見捨てるほど、俺は落ちぶれてない。
それに、猫なら一人暮らしの寂しさを癒してくれるかもしれない。
そう思った俺は箱を、拾い持ち帰った。
これが、悪夢の始まりと知るわけもなく……
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