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夜叉桜は黒髪と金の瞳が美しい娘に、弥勒桜は銀髪と黒の瞳が美しい娘になり、二人はそれぞれ月姫(げっき)、百合姫(ゆりひめ)と呼ばれるようになりました。
そして大人になった彼女らはやがて、王の仕事を手伝うようになりました。
月姫は母より受け継いだ力を使い、呪い師(まじないし)として。百合姫はその公平で慈悲深い心で裁きの役人として、手伝うようになりました。
そんなある日、百合姫は月姫の寝所に来ました。
こんな遅い時間にいったいどうしたのだろうか。
月姫は不思議に思いながらも、彼女に声をかけました。
「弥勒、いったいどうしたの?」
「夜叉・・・私はいったいどうすれば・・・」
百合姫はそう言うと、ばたりと倒れ込むように地面に崩れ落ちました。
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