197人が本棚に入れています
本棚に追加
「リオン!上だ!」
「!!」
《ドゴッ!》
「が…」
敵の振り下ろした腕がリオンに直撃した。彼女はそのまま地面に叩きつけられてしまった。
「くそ!この…!」
《ガキィイイン!》
…さっきは斬れたのに!…ん?金属…?
今私が放った一発は、相手の金属のような部分に当たった。
「ガガ…ガァアア…キシャアア!」
「おい…嘘だろ…。」
さっきの金属のような部分がだんだん広がっていった。そして、全身がそれに覆われた。
「くっ…。ど…どうなってるの…。」
リオンがやっと身体を起こして立ち上がった。
「大丈夫か?」
「あんまり…」
ずっと戦っていたせいか、リオンの疲労とダメージは思っていたより大きいようだ。
「しばらく妖力を回復にまわせ。その間は私が時間を稼ぐ。」
「…でも…。」
「まぁ、みてろって。」
《ドン…!!》
私はとりあえず30%の解放状態で飛び出した。
…斬れないなら叩き壊す…!
《ガィィイイン!…ビリビリ…》
…ダメだ。手が痺れる。…ん?
よく見ると関節の部分だけ、硬化されずにそのままの形になっていた。
《ブン…!》
「わ!」
《ドガシャア!》
また腕の振り下ろしが襲いかかってきたが、なんとか避けた。
「…なんてパワーだ…」
今の一撃で地面に大穴が空いていた。身体を硬化したことで破壊力がかなり増したらしい。
…あんなのくらったらひとたまりもないぞ…。
「あ…!」
《カン…、キーン…!ガッ!》
「みんな!」
三人が追いついた。
「なんだこいつ!斬れないぞ?!」
「始めより外皮が硬化してしまって…」
「なんだ、それを早く言ってくれよ。だったらあたしの熱剣で!」
《ダン!》
キアラが飛び出した。
《ガィイイイン…!》
「…!?」
「キアラさん!右!」
《ガシュ…》
「が…」
キアラが爪のような物で斬りつけられてしまった。彼女はそのまま倒れこんだ。
…もう一撃…くる!
《ダン…!》
私はキアラに向かって飛び出した。
「…!! ジーナ!無理だ!」
《ドゴォオオッ!!》
「!!」
「…ふぅ…。間に合った…。」
「ゲホッ…ゲホッ…。…まったく…無茶しやがる…。」
私は彼女を抱えてその場から距離を置いた。
「キアラさん…大丈夫ですか?」
最初のコメントを投稿しよう!