躊躇

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「リオン!上だ!」 「!!」 《ドゴッ!》 「が…」 敵の振り下ろした腕がリオンに直撃した。彼女はそのまま地面に叩きつけられてしまった。 「くそ!この…!」 《ガキィイイン!》 …さっきは斬れたのに!…ん?金属…? 今私が放った一発は、相手の金属のような部分に当たった。 「ガガ…ガァアア…キシャアア!」 「おい…嘘だろ…。」 さっきの金属のような部分がだんだん広がっていった。そして、全身がそれに覆われた。 「くっ…。ど…どうなってるの…。」 リオンがやっと身体を起こして立ち上がった。 「大丈夫か?」 「あんまり…」 ずっと戦っていたせいか、リオンの疲労とダメージは思っていたより大きいようだ。 「しばらく妖力を回復にまわせ。その間は私が時間を稼ぐ。」 「…でも…。」 「まぁ、みてろって。」 《ドン…!!》 私はとりあえず30%の解放状態で飛び出した。 …斬れないなら叩き壊す…! 《ガィィイイン!…ビリビリ…》 …ダメだ。手が痺れる。…ん? よく見ると関節の部分だけ、硬化されずにそのままの形になっていた。 《ブン…!》 「わ!」 《ドガシャア!》 また腕の振り下ろしが襲いかかってきたが、なんとか避けた。 「…なんてパワーだ…」 今の一撃で地面に大穴が空いていた。身体を硬化したことで破壊力がかなり増したらしい。 …あんなのくらったらひとたまりもないぞ…。 「あ…!」 《カン…、キーン…!ガッ!》 「みんな!」 三人が追いついた。 「なんだこいつ!斬れないぞ?!」 「始めより外皮が硬化してしまって…」 「なんだ、それを早く言ってくれよ。だったらあたしの熱剣で!」 《ダン!》 キアラが飛び出した。 《ガィイイイン…!》 「…!?」 「キアラさん!右!」 《ガシュ…》 「が…」 キアラが爪のような物で斬りつけられてしまった。彼女はそのまま倒れこんだ。 …もう一撃…くる! 《ダン…!》 私はキアラに向かって飛び出した。 「…!! ジーナ!無理だ!」 《ドゴォオオッ!!》 「!!」 「…ふぅ…。間に合った…。」 「ゲホッ…ゲホッ…。…まったく…無茶しやがる…。」 私は彼女を抱えてその場から距離を置いた。 「キアラさん…大丈夫ですか?」
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