躊躇

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「あぁ…こんなのすぐに治してやるよ…。それより…あいつの身体を覆ってるのは皮膚じゃない…。…骨だ。」 「骨…?まさか奴は…!」 「あぁ…。No.11の…アリッサだ…。」 「え?ど…どういう事ですか?」 「No.11 アリッサ…。あいつは自分の骨の成分を皮膚から外に出し、身体を硬化する事が出来るんだ。だから大抵の攻撃は撥ね返してしまうんだ。っち…厄介だな…。」 「それで攻撃がきかないんですね…。」 「キシャアアア!」 《ブン…!ブン…!》 急にヤツが暴れだした。 「みんな、散れ!固まるな!」 ラルフの号令で全員ばらけた。 …よし、あれで行くしかないな。 「ミネア!お前はキアラの護衛だ!」 「は、はい!」 「ラルフ!リオン!二人は私に手を貸してくれ!」 「なにか考えがあるのか?」 「あぁ!二人でなんとかあいつの腕を斬り落としてくれないか?」 「斬れない物をどうやって…」 「いや、斬れる。関節をよく見てくれ。」 「…なるほどな。あれならなんとかならなくもない。」 「私は腕が落ちたのを確認したら首に一撃を叩き込む。」 「でも、首にはあれがあるぞ?どうするんだ?」 「妖力を引き出せるところまで引き出せれば砕けるはず…。ただ、少し時間がいるんだ。」 「その間、私達二人で奴の動きを封じるというわけだな。わかった。よし、リオン行くぞ。」 「…。」 「おい、リオン!聞いてるのか?!」 「…できないよ…。」 「…?」 「とても…哀しい目…」 「おい…!」 「…人に…裏切られた目…」 「っち…!もういい…私一人でなんとかする!ジーナは作戦通り準備しろ!」 《ダン!》 ラルフが飛び出していった。 《キーン!キーン!キーン…》 やっぱり一人じゃ無理だ。多分、ラルフがやられるのも時間の問題…。リオンはまだ独り言を言っている。 …仕方ない…。 「リオン。」 「…私と…」 「お前にとって一番大事なものはなんだ?」 「……?」 「一応聞こえてるだろうから一つだけ言っておく。」 「…。」 「私はお前を信じてる。」 「…!」 《ダン!》 私は奴の腕を斬り落とす為に飛び出した。
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