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「…リオン…」
「も…戻っ…た…。」
「…あ…あは…あはははは!やった…!やったなリオン!」
「…ありがとう、みんな。」
「信じられん…限界を越えてから戻ってくるなんて…。ほんとにとんでもない奴だな。」
「みんなのおかげだよ。」
本当はもっと喜んでいたかったがそういう訳にもいかず、キアラが話をきり出した。
「…さ、喜ぶのはそれぐらいにして…これからどうするんだ?あたしら以外の仲間はみんな奴らの所に向かってるみたいだぞ。」
「たくさんの大きな妖気はほとんどが覚醒者…。それもかなりの数です。多分、組織を潰すつもりなんじゃないでしょうか…?」
「…組織がどうなろうと私達には関係ないし、むしろ潰されてくれた方が好都合。だが…」
ラルフの目線が私に向けられた。判断は任せるといった感じだ。
「…確かに本部の連中はどうなっても構わないが…このまま放っておくわけにもいかないだろ。」
私の言葉にリオンが反応した。
「おじさん達はどうなってもいい…?どうして?」
「そうか…お前はまだあの事を知らないんだったな。」
私達はこれまでの経緯と組織がしてきた事、それと私とリオンの身体の事…とにかく知っている限りをリオンに話した。彼女は落ち着いた様子で聞いていたが、内心はショックを受けていただろう。しばらく沈黙が続いた。
「…。」
「これが私達の知っている全てだ。だから私達は目的を果たす為にあの場へ向かう。」
「…。」
「な、仲間の…妖気の数が減り始めました…!」
…もたもたしてられないな。
「リオン、お前はどうする?いや、リオンに限らない…みんな自分の判断でついて来るか来ないか決めてくれ。こんな事言いたくないけど、全員生き残るのはハッキリ言って難しい。」
意外にも最初に口を開いたのはミネアだった。
「わ、私は行きます!その為に修行したんですから…!」
「もちろんあたしも行くよ。今更命が惜しいなんて思わないしな。」
「私もだ。ここまできて引き下がる訳がないだろ。」
「みんな…ありがとう。リオン、あとはお前だけだ。」
「…私も行くよ。この時のために戻ってこれたのかも知れないし…それに…本当に私を必要としてくれている人は今ここにいるからね…!」
「…ほんとにいいのか?」
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