男の覚醒者

2/4
前へ
/132ページ
次へ
「…リオン…」 「も…戻っ…た…。」 「…あ…あは…あはははは!やった…!やったなリオン!」 「…ありがとう、みんな。」 「信じられん…限界を越えてから戻ってくるなんて…。ほんとにとんでもない奴だな。」 「みんなのおかげだよ。」 本当はもっと喜んでいたかったがそういう訳にもいかず、キアラが話をきり出した。 「…さ、喜ぶのはそれぐらいにして…これからどうするんだ?あたしら以外の仲間はみんな奴らの所に向かってるみたいだぞ。」 「たくさんの大きな妖気はほとんどが覚醒者…。それもかなりの数です。多分、組織を潰すつもりなんじゃないでしょうか…?」 「…組織がどうなろうと私達には関係ないし、むしろ潰されてくれた方が好都合。だが…」 ラルフの目線が私に向けられた。判断は任せるといった感じだ。 「…確かに本部の連中はどうなっても構わないが…このまま放っておくわけにもいかないだろ。」 私の言葉にリオンが反応した。 「おじさん達はどうなってもいい…?どうして?」 「そうか…お前はまだあの事を知らないんだったな。」 私達はこれまでの経緯と組織がしてきた事、それと私とリオンの身体の事…とにかく知っている限りをリオンに話した。彼女は落ち着いた様子で聞いていたが、内心はショックを受けていただろう。しばらく沈黙が続いた。 「…。」 「これが私達の知っている全てだ。だから私達は目的を果たす為にあの場へ向かう。」 「…。」 「な、仲間の…妖気の数が減り始めました…!」 …もたもたしてられないな。 「リオン、お前はどうする?いや、リオンに限らない…みんな自分の判断でついて来るか来ないか決めてくれ。こんな事言いたくないけど、全員生き残るのはハッキリ言って難しい。」 意外にも最初に口を開いたのはミネアだった。 「わ、私は行きます!その為に修行したんですから…!」 「もちろんあたしも行くよ。今更命が惜しいなんて思わないしな。」 「私もだ。ここまできて引き下がる訳がないだろ。」 「みんな…ありがとう。リオン、あとはお前だけだ。」 「…私も行くよ。この時のために戻ってこれたのかも知れないし…それに…本当に私を必要としてくれている人は今ここにいるからね…!」 「…ほんとにいいのか?」
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!

197人が本棚に入れています
本棚に追加