離反者の宿命

2/3
197人が本棚に入れています
本棚に追加
/132ページ
《ドン…!!》 「よし、いいぞ。それが30%だ。その感じをよく覚えておけ。…おいジーナ、聞いてるのか?」 「ん?あぁ、ごめん。大丈夫、聞いてたよ。」 「どうした。なにか気になる事でもあるのか?」 「いや、さっきから何か変な感じがするんだ。嫌な予感っていうか…。…ん?」 急にキアラとミネアが走ってこちらに向かってきた。なにやら慌てている様子だ。 「ラルフさん!ジーナさん!誰かがこっちに向かってきます!ほら、あそこ…!」 私達はミネアが指差す方へ顔を向けた。…ラルフの緊張が伝わってきた。 「ラルフ、あれってもしかして…」 「アルス…。」 「アルスってあのNo.2のアルスか?!だけど全然妖気を感じないぞ!?」 「妖気を消す薬を飲んだんじゃないでしょうか…。」 「は?だったらあたしらの場所がわかるはずないじゃないか!」 「いや、アイツは妖気だけじゃなく、気配だけで相手の位置や性格までわかるんだ。…うかつだった。」 そして、アルスは私達の目の前まで来て足を止めた。 「No.4ラルフ、No.8キアラ、No.18ジーナ、No.47ミネア。組織の命により、離反者であるお前達の首、貰ってゆくぞ。」 「っち…。みんな!構え…」 《ドゴッ!》 「ぐぁ…」 ミネアが腹を蹴り飛ばされ、そのまま岩壁に突っ込んだ。 「ミネア!…くそ!お前なんかあたしが!」 キアラが飛び出し、アルスに斬りかかる。 《ヒュン…》 「な…」 《バキ!》 「ぐぁあああ!」 キアラの攻撃はかわされ、その隙をつかれて腕を折られてしまった。 《ヒュン…!ガキィイーン!》 「ラルフ!」 「私は大丈夫だ!こいつはしばらく私が引き付けておく!だからお前は早く妖力を…」 《キーン!ドカッ!》 「がはっ…」 剣を弾かれ、ラルフも蹴り飛ばされてしまった。 …来る! 《ガィイイン!》 速い…! 《ガン!ガン!ガガガガ…!》 くそっ!攻撃に移れない…!妖力解放の時間がとれれば…。 …! 《ガキーン!バコッ!》 「が…!」 結局私も蹴り飛ばされてしまった。 「終わりだな。…どうだ?今から命乞いでもして組織に戻ってくるか?それともこのまま首をはねられたいか?」 「…冗談じゃない…。どっちもごめんだな…。」 「ほぉ…。そんなざまで、まだ私と戦うのか?」 「…当たり前だ。私はまだ…やれる…!」
/132ページ

最初のコメントを投稿しよう!