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《ドン…!!》
「よし、いいぞ。それが30%だ。その感じをよく覚えておけ。…おいジーナ、聞いてるのか?」
「ん?あぁ、ごめん。大丈夫、聞いてたよ。」
「どうした。なにか気になる事でもあるのか?」
「いや、さっきから何か変な感じがするんだ。嫌な予感っていうか…。…ん?」
急にキアラとミネアが走ってこちらに向かってきた。なにやら慌てている様子だ。
「ラルフさん!ジーナさん!誰かがこっちに向かってきます!ほら、あそこ…!」
私達はミネアが指差す方へ顔を向けた。…ラルフの緊張が伝わってきた。
「ラルフ、あれってもしかして…」
「アルス…。」
「アルスってあのNo.2のアルスか?!だけど全然妖気を感じないぞ!?」
「妖気を消す薬を飲んだんじゃないでしょうか…。」
「は?だったらあたしらの場所がわかるはずないじゃないか!」
「いや、アイツは妖気だけじゃなく、気配だけで相手の位置や性格までわかるんだ。…うかつだった。」
そして、アルスは私達の目の前まで来て足を止めた。
「No.4ラルフ、No.8キアラ、No.18ジーナ、No.47ミネア。組織の命により、離反者であるお前達の首、貰ってゆくぞ。」
「っち…。みんな!構え…」
《ドゴッ!》
「ぐぁ…」
ミネアが腹を蹴り飛ばされ、そのまま岩壁に突っ込んだ。
「ミネア!…くそ!お前なんかあたしが!」
キアラが飛び出し、アルスに斬りかかる。
《ヒュン…》
「な…」
《バキ!》
「ぐぁあああ!」
キアラの攻撃はかわされ、その隙をつかれて腕を折られてしまった。
《ヒュン…!ガキィイーン!》
「ラルフ!」
「私は大丈夫だ!こいつはしばらく私が引き付けておく!だからお前は早く妖力を…」
《キーン!ドカッ!》
「がはっ…」
剣を弾かれ、ラルフも蹴り飛ばされてしまった。
…来る!
《ガィイイン!》
速い…!
《ガン!ガン!ガガガガ…!》
くそっ!攻撃に移れない…!妖力解放の時間がとれれば…。
…!
《ガキーン!バコッ!》
「が…!」
結局私も蹴り飛ばされてしまった。
「終わりだな。…どうだ?今から命乞いでもして組織に戻ってくるか?それともこのまま首をはねられたいか?」
「…冗談じゃない…。どっちもごめんだな…。」
「ほぉ…。そんなざまで、まだ私と戦うのか?」
「…当たり前だ。私はまだ…やれる…!」
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