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「ふん。だが…お前以外はそうもいかないみたいだぞ。」
私は三人の方に目をやった。
ミネアは気絶。キアラは剣が持てない。ラルフはまだ起き上がれないでいる。
「…一人でもやってやるさ。私はまだ、死ぬわけにはいかないんだ!」
《ドン…!》
私は妖力を解放し、全力で飛び出した。
《ガキィイイッ!》
「ほう…妖力の大きさだけは大したものだな。だが、どんなに大きな力も相手に当たらなければ意味がない。」
《ヒュン…》
…消えた?!
《ドシャァアア!》
「く…そ…」
頭を掴まれ、そのまま地面に叩きつけられてしまった。
「もう終わりか?なら、そろそろ首を…ん?」
《ガキーン!》
「ハァ…ハァ…。」
「ラルフ…!」
「なんだお前か。まさか、お前まで私に勝とうなんていうバカな考えをしているんじゃないだろうな?」
「ふん…。バカはお前だ。気をつけろよ。早くそいつを離さないとそっちの手が吹っ飛ぶぞ。」
「?!」
《ドン!!!》
「…!!な…なんだ…この妖力は…!」
「まったく…時間がかかりすぎだぞ、ジーナ。」
「すまない、まだ慣れてなくて…。」
「お前…一体何者だ…?」
「とっくに知ってるだろ?No.18…ただの下っぱだよ。」
「こんなバカでかい妖力でNo.18なんて…何かの間違いだろ…。」
「間違いなんかじゃないさ。こいつがそのナンバーなのは、今までこの力を使いこなせていなかったからだよ。…行け、ジーナ。修行の成果見せてやれ。」
《ダン!》
私はアルスめがけて飛び出した。
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