出発

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「あぁ、わかってる!全員、今すぐ出発の準備だ!この戦いに加勢するぞ!」 「「「了解!」」」 私達は装備を整え、急いでリオンの元へと向かった。 「ゼェ…ゼェ…。前に戦ったヤツよりうんと強いや…。…!!」 《ガシ!!ズシャァアア!》 「くっ…!」 「キシャァアア!ガ…ガガ…ソシキ…ユルサ…ナイ…」 「…組織…?き…君は…組織に何かされたの…?」 「グ…グウゥ…ガガ…」 「こんなんじゃ戦えないよ…。」 「ガァァアアア!」 《ドゴォオッ!》 「がはっ…」 全員、リオンの妖力が小さくなり始めているのを感じていた。 まだもう少し距離がある。私は焦っていた。 「みんな!もう少しペースを上げられないか!?」 「ハァ…ハァ…。ふざけんな…あたしらはこれでも全力で走ってるんだよ…。」 「だが…このままでは間に合うかどうか…。仕方ない…。ジーナ、先に行け!すぐに私達も追いつく!」 「あぁ!そうさせてもらうよ!」 《ダン!》 私は速度を上げた。 …早くしないと…!! 「あいつ…一年前とは別人だな…。」 「あぁ。この一年で一番成長したのはあいつだ。ほんとに…驚くほど強くなったよ。」 「でも…先に行かせて大丈夫だったんでしょうか…?」 「あ?どういう意味だ?」 「いぇ…その…ジーナさん、凄く焦ってたみたいなので…」 「心配ないよ。もう、昔のあいつじゃない。それに、私達もすぐに追いつけるはずだしな。」 「そう…ですよね。…とにかく急ぎましょう…!」 「キシャァアアア!」 「は…離せ…よ…。…!!」 《ヒュンッ!ドシャァアア…!》 「グギャアアオォォ!」 「ジーナ…!」 「ハァ…ハァ…。間に合ったな…。」 私はリオンを掴んでいた奴の腕を斬り落とし、そのまま彼女を抱えて奴との距離を一旦置いた。 「助かったよ…。だけど、どうしてここに…?」 「それは後で話す。それよりお前、一人でこいつと戦ってたのか?」 「いや…」 私はリオンの目線を追った。その先には…二人の仲間の死体があった。 「そうか。…こうなったのはお前のせいじゃないからな。」 「…ありがとう。」 「ガ…ガ…ウゥ…ガァアアア!」 そうこうしているうちに、私が斬り落とした腕はすっかり元に戻っていた。
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